不正スタート判定装置が導入された陸上の
日本選手権(男子60m決勝)で4人の選手が
失格となる前代未聞の珍事が発生しています。
それまで、あまり意識していませんでしたが
決勝で4人が失格となるなんて、普通では
到底ありえないことです。
あらためて、陸上のフライングのルールや
不正スタート判定装置の仕組みについて調べてみました!
東京オリンピックでは、こんな形で国の代表選手が
失格とならないことを祈っています!
【4人フライング失格 選手憤り】https://t.co/kZ3IBkUJzz
陸上・日本室内選手権、男子60メートル障害決勝で、フライングで4人が失格に。不正スタート判定装置が使われており、スターティングブロックに掛かる圧力の変化によって判断。0秒100未満は不正とみなされる。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) February 1, 2020
フライング(不正スタート)のルールとは?
合図がある前に動いたら不正スタート
日本陸上競技連盟競技規則によると・・
競技者は、最終の用意の姿勢をとった後、
信号器の発射音を聞くまでスタート動作を
開始してはならない。競技者が少しでも早く動作を開始したと
スターター(あるいはリコーラー、第129条
6参照)が判断したときは、不正スタートとなる。
ですので、誰でも何となく分かっているとは
思いますが、簡単に言うと
合図がある前に動いたら不正スタート
となります。
1回の不正スタートで失格
混成競技を除いて、一度の不正スタートでも
責任を有する競技者はスターターにより失格
させられる。
ということで、
1回の不正スタートで失格となります^^;
これは、2016年度からすべての公認競技(混成競技を除く)で適用となっています。
ちなみに混成競技とは、十種競技など一人の
競技者が複数の種目を行う競技を言います。
不正スタートをした選手につられて、他の選手が
動くことがありますが、その選手も不正スタート
で失格となる可能性があります。
過去には、フライングが1回は認められていたので
思いっきり早くスタートすることにチャレンジできて
好タイムが出やすかったようですが、
1回で失格となるとビビってしまって慎重になり
好タイムが以前よりも出にくくなるのではないか?
そんな声も寄せられています。
不正スタート判定装置とは?
いわゆるスタートインフォメーションシステムで使用される正確無比な装置です^^;
仕組み
クラウチングスタートで使用される
スターティングブロック(↑の黄色い○)の
後ろの方にコードがつけられています。
簡単に言うと、機械的にスタートの合図に
反応した時間を計測して不正スタートを
していないかを計測するシステムです。
スタートの合図があってから、
0.100秒よりも速い反応が感知された場合、
不正スタートとみなされます。
0.100秒の根拠とは?
人が音を認識してから、反応するまでの最短時間が
医学的に0.100秒であるとされていることから来ています。
スタートの号砲(音)が鳴ってから、0.100秒
よりも早く動いた場合は、音を聞く前に
動いたとみなされるので不正スタートとされています。
ただ、医学的な根拠に基づくとされる0.1秒
ですが、最近では再検討の必要性も指摘されています。
本当は、もっと早く動けるのでは??
不正スタートの計測システムとは?
IAAF(国際陸上競技連盟)が承認した
スタート・インフォメーション・システム
が用いられているとき、スターターと
リコーラーの両者またはそのいずれかが、
スタート・インフォメーション・システムが
不正スタート(即ち、反応時間が0.100秒未満の
場合をいう)の可能性があることを装置が
示した時に発せられる音響をはっきり聞く
ためにヘッドフォーンを着用しなければならない。スターターとリコーラーの両者、またはその
いずれかが、音響を聞いた瞬間、すでに
出発の信号器が発射されていれば呼び戻し
(リコール)しなければならない。
そしてスターターはリコールの原因となった
競技者を特定するために、ただちにスタート・
インフォメーション・システムの反応時間
およびその他入手可能な情報を確認しなければならない。
スターターとは?
スタートの合図をする人のことです。
スタート時の「バン」という号砲をうつ人です^^;
これだけではありません・・。
他の審判員と異なり、競技者を失格させる権限を持っています。
競技者を失格させる権限は、審判長と
競歩審判員主任、スターターだけです。
リコーラーとは?
スターターと同じく、不正スタートを監視する人です。
スターターがやり直しのリコールの号砲を
打たない場合でも、リコーラーが不正スタートと
判断した場合は、やり直しの号砲を
リコーラーが撃って競技がやり直されます。
不正スタート判定装置の問題点(デメリット)とは?
日本選手権室内60mH
予選 7″61(日本新)
決勝 フライング失格(反応0.099秒)悔しいですが冬季やってきたことが途中まで出来ていたことが確認できたので良い試合でした。切り替えて引き続き冬季練習頑張ります!
…とはいえ凹んでます… pic.twitter.com/db2lpMLZuV
— 金井 大旺 (@KANAI0928) February 1, 2020
機械的に判定される点は、客観的であるので素晴らしいですが・・
不正スタート判定装置の設定感度が敏感に
セットしてある場合があれば、ちょっとした
ことで不正スタートであると誤動作したり
あるいは、感度が低い場合は不正スタートを
感知できない場合も有り得ます。
フットプレートにかかる競技者の足の圧力が
設定基準となっている値でのみ、即座に
反応するのが望ましいとされていますが、
機械による個体差も考えられます。
東京オリンピックの際には、万全を期されるので
問題無いと思います~!