下肢帯の筋<3>外旋6筋とは?作用や支配神経(起始停止)のまとめ

下肢帯の筋で外寛骨筋に含まれる
外旋6筋(股関節の回旋筋群)について
まとめています。

外旋6筋は、殿筋群に被われた深層に
あり、文字通り大腿骨の外旋に
作用します。
外閉鎖筋は閉鎖神経支配ですが、
それ以外の筋は仙骨神経叢から支配されています。

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下肢帯の筋の分類

下肢帯の筋
内寛骨筋 小腰筋
大腰筋
腸骨筋
殿筋群 大殿筋
中殿筋
小殿筋
大腿筋膜張筋
回旋筋群 梨状筋
上双子筋
内閉鎖筋
下双子筋
大腿方形筋
外閉鎖筋

今回は、回旋筋群(外旋6筋)について
まとめています。

下肢帯の筋<3>外旋6筋について

以下の6つの筋からなります。

筋の名称 髄節 支配神経
梨状筋
piriformis
S1,2 仙骨神経叢
上双子筋
gemellus superior
L5,S1,2
内閉鎖筋
obturator internus
下双子筋
gemellus inferior
L4,5,S1
大腿方形筋
quadratus femoris
外閉鎖筋
obturator externus
L3,4 閉鎖神経

※外閉鎖筋については、神経支配の違いに
よって股関節の内転筋群に分類する
場合もあります。

作用(股関節の外旋作用)の違いによって
外閉鎖筋を回旋筋群に分類する場合、
外旋6筋と呼ばれます。

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1.梨状筋 piriformis

停止部の近くでは上双子筋、
内閉鎖筋、下双子筋、中殿筋などと
しばしば癒合します。

起始部から起こった筋は、
大坐骨孔を通って骨盤腔を出て
中殿筋の下縁と並びます。

仙骨神経叢支配で、髄節はL5,S1,2です。

起始

・仙骨の前面で第(1)2,3,4の
前仙骨孔の間および外側

・大坐骨切痕の上縁後方

・仙結節靱帯の前面

停止

大腿骨の大転子の上方の先端

作用

股関節の外旋

 

2.上双子筋 gemellus superior

内閉鎖筋の上方にあります。

仙骨神経叢支配で、髄節はS1,2です。

起始

坐骨棘の外側面

停止

内閉鎖筋の上方と癒合してから
大腿骨の転子窩に付きます。

作用

股関節の外旋

 

3.内閉鎖筋 obturator internus

上双子筋と下双子筋の間にあります。

仙骨神経叢支配で、髄節はL5,S1,2です。

起始

寛骨の内面の
・閉鎖膜
・閉鎖孔の周辺

停止

小坐骨孔を通って前外方へ90度方向を
変えて腱となり、上双子筋と下双子筋
に癒合しながら進んで
大腿骨の転子窩に付く。

作用

股関節の外旋
(股関節が屈曲位にあるときは
外転に作用します。)

 

4.下双子筋 gemellus inferior

内閉鎖筋の下側に位置し、
内閉鎖筋と癒合します。

仙骨神経叢支配で、髄節はL4,5,S1です。

起始

坐骨結節の上部(上縁)

停止

内閉鎖筋の下方と癒合しながら進み
大腿骨の転子窩に付きます。

作用

股関節の外旋
(補助的に股関節の内転)

 

5.大腿方形筋 quadratus femoris

下双子筋の下方にある厚い方形筋です。

この筋は、集まって大腿骨頸部の後方を
通ります。

仙骨神経叢支配で、髄節はL4,5,S1です。

起始

・寛骨外面の閉鎖孔の縁
・閉鎖膜の外面

停止

・大腿骨の転子窩
(内閉鎖筋の付着部より下方へ付着)

作用

・股関節の外旋

・股関節の内転

6.外閉鎖筋 obturator externus

集まって大腿骨頸部の後方を通ります。

閉鎖神経支配で、髄節はL3,4です。

起始

・寛骨外面の閉鎖孔の縁

・閉鎖膜の外面

停止

・大腿骨の転子窩
(内閉鎖筋の付着部より下方)

作用

・股関節の外旋

・股関節の内転

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