上肢の動きに関係する筋の中で
棘突起から起こる背部の浅層にある
筋が浅背筋です。
また、棘突起から腕に作用する筋
なので棘腕筋(きょくわんきん)とも
呼ばれています。
この浅背筋には、皮膚の表面に近く
背部の最も表層にある「第1層」の
筋と、その下の「第2層」からなります。
浅背筋(第1層)の筋 |
僧帽筋trapezius |
広背筋latissimus dorsi |
目次
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僧帽筋(trapezius)の概要
背部の最表層にある筋で
上部線維、中部線維、下部線維の
3つに分けられます。
僧帽筋の上部線維と下部線維は
前鋸筋とともに肩甲骨の
上方回旋に作用する重要な筋です。
僧帽筋が麻痺するとどうなる?
僧帽筋の麻痺や機能不全で
翼状肩甲(よくじょうけんこう)と
言われる状態になります。
翼状肩甲は、通常は
前鋸筋の機能不全で生じるとと
理解されていますが、僧帽筋の
機能不全でも生じます。
僧帽筋の機能不全で生じる
翼状肩甲の特徴は、肩外転時に
その症状が著明であることです。
前鋸筋麻痺の場合は、肩関節の
屈曲で著明となりますので
鑑別する際のポイントとなります。
僧帽筋(trapezius)上部線維
起始
・後頭骨の上項線(じょうこうせん)内側1/3
・外後頭隆起(がいこうとうりゅうき)
・項靱帯(こうじんたい)
から起こって
下外側方向に下ります。
停止
鎖骨外側1/3の後縁
作用
・肩甲骨の挙上、上方回旋、内転
・頭部、頸部の伸展、側屈、反対側回旋
僧帽筋(trapezius)中部線維
起始
・C(6)7~T3棘突起
・C(6)7~T3棘上靱帯
から起こって水平方向で
外側へ向かいます。
停止
・肩峰の内側縁
・肩甲棘の上内側縁
作用
・肩甲骨の内転、挙上
僧帽筋(trapezius)下部線維
起始
・T4~12棘突起
・T4~12棘上靱帯
から起こって上外側方向へ向かいます。
停止
・肩甲棘の内側縁
作用
・肩甲骨の下制、上方回旋
僧帽筋(trapezius)の支配神経・髄節
・副神経(第11脳神経)
・頸神経叢の筋枝
C2、3、4
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