大菱形筋の起始停止作用と支配神経!浅背筋第2層<その3>とは?

大菱形筋は、僧帽筋と広背筋にほとんど
被われるひし形の広い筋で小菱形筋の
下方に位置します。

浅背筋第2層の筋は、浅背筋
第1層の筋である僧帽筋に
被われており、肩甲骨の運動に
関係します。

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浅背筋とは?

上肢の動きに関係する筋の中で
棘突起から起こる背部の浅層にある
筋が浅背筋です。

また、棘突起から腕に作用する筋
なので棘腕筋(きょくわんきん)とも
呼ばれています。

この浅背筋には、皮膚の表面に近く
背部の最も表層にある「第1層」の
筋と、その下の「第2層」からなります。

浅背筋第2層の筋

浅背筋(第2層)の筋
肩甲挙筋 levator scapulae
小菱形筋 rhomboid minor
大菱形筋 rhomboid major

大菱形筋の概要

小菱形筋の下方に大菱形筋があります。

大菱形筋の起始

・T2~5棘突起
・棘上靱帯(きょくじょうじんたい)

大菱形筋の走行

小菱形筋の下方を斜め下外方に併走します。

大菱形筋の停止

肩甲棘三角より下の

・肩甲骨の内側縁
に広く付着します。

上図は、左の肩甲骨の背側面です。

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大菱形筋の作用

・肩甲骨の内転、挙上、下方回旋

小菱形筋と同じ筋の走行ですので
作用もほとんど同じです。

肩甲骨を後退(retracts)させる際、
僧帽筋とともに大菱形筋と小菱形筋
が作用します。

僧帽筋は、肩甲骨を上方回旋させる
作用がありますので、小菱形筋や
大菱形筋は、僧帽筋の拮抗筋と
いうことになります。

肩甲骨から起こって肩関節動かす
筋(例えば、三角筋や棘上筋など)が
作用するためには、肩甲骨が
固定される必要があります。

小菱形筋や大菱形筋は、肩甲骨を
固定する筋(Stabilizer)としても
作用します。

大菱形筋の支配神経・髄節

・肩甲背神経

髄節・・C4,5

肩甲背神経の支配する筋

肩甲背神経は、肩甲挙筋の一部、
小菱形筋、大菱形筋を支配し、
その深部を肩甲骨内側縁に沿って
下行しながら、それらの筋を支配します。

ちなみに、肩甲挙筋は、
頚神経前枝(C3,4)と肩甲背神経の
二重神経支配です。

肩甲背神経のみから支配されるのは
大菱形筋と小菱形筋です。

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