下後鋸筋の起始停止作用と支配神経!深背筋第1層<その2>とは?

下後鋸筋(かこうきょきん)は、
背部の下方にあります。

菱形筋に被われ、広背筋(浅背筋)
よりも深部にあるため深背筋に分類されます。

深背筋は、第1層と第2層に分けられています。

深背筋の第1層の筋は、肋骨と棘突起を
結ぶため、胸郭の動きに関係します。

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深背筋とは?

背部の深層にあって第1層と第2層に分けられます。

深背筋の第1層は肋骨と椎骨(棘突起)を結び
棘肋筋とも呼ばれ、上後鋸筋と下後鋸筋からなります。

第2層は脊柱に関係があり固有背筋とも
呼ばれており、以下のものが含まれます。
[1]板状筋,[2]脊柱起立筋,
[3]横突棘筋,[4]棘間筋,[5]横突間筋,
[6]後頭下筋群からなります。

深背筋の第1層の筋

深背筋(第1層)の筋
上後鋸筋 serratus posterior superior
下後鋸筋 serratus posterior inferior

下後鋸筋の概要(動画)

英語ですが、上後鋸筋と下後鋸筋を解説
した動画があります。

イメージがつかめると思いますので
参考にしてみてください。

下後鋸筋の起始

・T11~L2の棘突起

・腰背腱膜(ようはいけんまく)

腰背腱膜(ようはいけんまく)

腰背腱膜(腰部を被う腱膜)
後葉(=浅葉)

(=狭義の腰背腱膜)

前葉(=深葉)

(=腰腱膜lumbar aponeurosis

固有背筋の後ろを包む腰部の腱膜.

下後鋸筋の筋膜,広背筋の腱膜が重なって結合し厚くなっている部分.

固有背筋の前を包む腰部の腱膜.

第12肋骨,腰椎の肋骨突起および腸骨稜の間に張る.内腹斜筋,腹横筋,腰方形筋とつながる.

下後鋸筋の走行

起始部から停止部までの走行は
斜め外上方に走ります
ちなみに、上後鋸筋はその逆で
斜め外下方です。

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下後鋸筋の停止

第9~12肋骨の外側下縁

肋骨角(ろっこつかく)周辺の
肋骨の外側下縁に着きます。

肋骨角(ろっこつかく)とは?

肋骨体の彎曲が大きくなる部分で、
第1~10(11)肋骨結節の数㎝外側にあります。

上の図の10のところが肋骨角です。

下後鋸筋は、肋骨角の部分の外側下縁に着きます。

下後鋸筋の作用

胸郭を引き下げ、呼息の補助をします。

下後鋸筋の支配神経・髄節

肋間神経(T9~11)
肋下神経(T12)

下後鋸筋は、胸郭背面の下方に
位置しますので、肋間神経の
下の方の支配を受けます。

肋間神経と肋下神経について

ちなみに、下後鋸筋の支配神経は
肋間神経と肋下神経から支配されますが

肋間神経は、肋骨と肋骨の間にある
神経です。

肋骨は、12対ありますので
最後の12肋骨の下を通る神経は
肋骨と肋骨の間にありません。
そのため、肋間神経ではなく、
肋下神経となってます。

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