骨は、解剖学において6つの形状に大きく分類されます。
長骨(長管骨)、短骨、扁平骨、不規則骨、
含気骨、種子骨です。
中には、蝶形骨や上顎骨など二つの分類に
またがる骨もあります。
- 骨の形状分類をする理由
- 骨の形状分類一覧
- 形状分類の定義と特徴
について書いています。
目次
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骨の形状を分類する理由
形状を分類する理由は、単に形だけの分類に
とどまらず、骨の内部の状態の違いや
関節運動に関する機能的な面からも意味のあることです。
例えば、短骨や不規則骨には髄腔はありませんが
長管骨には髄腔があります。
また、機能的な役割を連想させる骨の分類
として種子骨や含気骨があります。
種子骨は、関節運動の際に筋の作用が働き
易くする滑車のような作用をしますし、
骨の重量を軽くすると言われる含気骨は、
頭蓋骨の一部の骨に存在します。
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骨の形状分類一覧
長骨(長管骨)ちょうかんこつ
医学英語・・long bone
特徴 | 管状骨(かんじょうこつ)であり、縦に長く二つの骨端(こつたん)と一つの骨幹(こつかん)を区別できる。
骨端・・二次骨化中心から発達したもので、長骨(長管骨)の端のふくれた部分。この部分に関節面が形成される場合、関節軟骨がその表面を覆う。 関節軟骨・・成長期の骨端と骨幹の間にある硝子軟骨(がらすなんこつ)で板状をなす。 骨幹・・強固な緻密骨(皮質骨)に覆われた骨の中央部分で、海綿骨はほとんど存在しない。 髄腔(ずいくう)・・長管骨の骨幹部に存在する空洞部分で、その中は骨髄で満たされている。 骨幹端・・骨幹の端にある骨端軟骨に接する部分。骨幹に含まれ、骨端には含まれない。 |
具体例 | 鎖骨、上腕骨、中手骨、大腿骨、脛骨、腓骨、中足骨など |
短骨(たんこつ)
医学英語・・short bone
特徴 | 短い骨であり、骨端(こつたん)骨幹(こつかん)を区別できない。
薄い緻密骨に覆われた海綿骨から形成される。 |
具体例 | 手根骨、足根骨など |
扁平骨(へんぺいこつ)
医学英語・・flat bone
特徴 | 薄く平らな形状の骨。 |
具体例 | 頭頂骨、胸骨、肋骨、肩甲骨、腸骨など |
不規則骨(ふきそくこつ)
医学英語・・irregular bone
特徴 | 長骨、短骨、扁平骨に属さない骨を言う。 |
具体例 | 側頭骨、蝶形骨、篩骨、頬骨、上顎骨、下顎骨、口蓋、下鼻甲介、舌骨、椎骨、仙骨、尾骨など |
含気骨(がんきこつ)
医学英語・・pneumatic bone
特徴 | 骨の中に空気を満たし、粘膜で覆われた腔(くう)や洞(どう)を持つ。 |
具体例 | 副鼻腔の骨(前頭骨,上顎骨,蝶形骨,篩骨)、顔面骨など |
種子骨(しゅしこつ)
医学英語・・sesamoid bone
特徴 | 腱が関節を越える部分などに形成され、筋収縮の際にその力を有効につたえる滑車のような働きをする。
出生後に形成され、膝蓋骨のように巨大なものもある。 |
具体例 | 豆状骨、第1中手骨頭の掌側、第1中足骨頭の底側、膝蓋骨(最大の種子骨)など |
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